Stray Penguin -実録 SV650 ABS ブログ-

メンテ & カスタム

ブレーキキャリパーのクリーニング [2020/11/29 ODO=7120km]

先だって走行会でサーキットを走ったこともあって、長持ちさせるために前後キャリパーの掃除をした。ブレーキフルードには触れないレベルで。自分はブレーキピストンの揉み出しやピストン面潤滑剤塗布は悪と考える派。

使用した道具

リヤ

  1. マフラーを外す。
  2. スイングアーム上のブレーキホースガイドのビスを外す。ABSユニットからキャリパーまでの間のブレーキホース上に2ヶ所ある、ABSセンサーコードのプラ製クリップをフリーにする。ブレーキホースガイドはABSユニット付近にヒモか何かでぶら下げておくと邪魔にならない。
  3. メクラ蓋を外してパッドピンを緩めておく。
  4. 前後スライドピンを抜く。
  5. キャリパーをブラケットから取り外す。抜きにくい場合は軽く数回コジってもいいが、汚れたままのピストンをあまりシリンダーに押し戻したくないので最低限に。
  6. パッドピンを抜き、パッドを抜き取る。ホイールに落とさないよう注意。
  7. キャリパーからパッドスプリングプレートを抜き取る。あとで清掃。
  8. 予荒い。霧吹きで水を吹きかけながら、歯ブラシでコシコシしてブレーキダストをまず全体的に落とす。
  9. ピストン周りを、歯ブラシとペースト石鹸で地道かつ徹底的にクリーニング。
  10. ブレーキペダルをポンピングしてピンストンの突出量を2〜3ミリ増し、さっき隠れていたピストン側面の汚れまで落とす。
  11. ピストンを指で押し戻す。戻し過ぎるとリザーバータンクからフルードが溢れるおそれがあるので注意。ピストンで隠れていたキャリパー内側をペースト石鹸で掃除。キャリパーの外側も掃除。
  12. ブラケットに付いているリテーナーを外し、ペースト石鹸で掃除。ブラケット側のリテーナー接地面もきれいにし、相面に少量のBPRを塗布して戻す。パッドとの接触面には何も塗らない。
  13. パッドをペースト石鹸で掃除後、ブレーキクリーナーで脱脂。制動面の前後辺のみ軽く面取り。
  14. キャリパーにパッドスプリングを戻す。
  15. パッドをキャリパーに取り付ける。その際、イン側キャリパーボディのパッドの背に接する面と、ピストンのパッド接触面にのみ、BPRを薄く塗布。はみ出し厳禁。清掃し真鍮ブラシで傷を均したパッドピンを、何も塗らずに、仮締め。2020型SV650のリヤパッドにシムプレートはない。
  16. 後側スライドピンスリーブ、前側スライドピンにSSGを補充。今回は消耗していなかったので足さなかった。
  17. キャリパーをブラケットに取り付け、スライドピンを締める。
  18. キャリパーピンを本締めし、メクラ蓋を取り付ける。
  19. ホースガイドとクリップを元に戻す。
  20. マフラーを元に戻す。

フロント

左右両方のキャリパーをいっぺんにディスクから外すと、クリーニング中のピストンの出し入れの制御が難しくなり、リザーバータンクの液面変動も多大になりがちので、片方ずつ行なった。

  1. フェンダーからブレーキホースクランプを取り外す。タイヤトレッドとのクリアランスが狭いので、フェンダーをほぼ外す必要がある。
  2. パッドピンを緩めておく。
  3. キャリパーボルトを緩めてキャリパーをフロントフォークから取り外す。
  4. 3mmヘキサx2本でキャリバーボディに留まっているダストカバープレートを取り外す。あとで清掃。
  5. パッドピンを抜き、ブレーキパッドを抜き取る。2枚とも同じ形をしているので、戻し時に入れ替わってアタリが変わってしまわないよう、目印を付けておく。
  6. 予荒い。霧吹きで水を吹きかけながら、歯ブラシでコシコシしてブレーキダストをまず全体的に落とす。
  7. ピストン周りを、歯ブラシとペースト石鹸で地道かつ徹底的にクリーニング。
  8. 2019からのSV650 ABSのフロントは対向4ポッドキャリパーなので、イン側2ポッドとアウト側2ポッドとを分けてさらに清掃を進める。当例では、アウト側を先に掃除する。
    1. イン側のピストンにのみパッドを添え、工作クランプでイン側ボディとパッドを挟み込む。イン側ピストンが動かなければいいわけなので、強く締める必要はない。
    2. ブレーキレバーをポンピングしてアウト側ピンストンの突出量を2〜3ミリ増やす。1個だけ出てくる場合はそちらを指で押さえて抑制すればいい。出たら、工作クランプは邪魔なので外し、アウト側ピストンのさっき隠れていた汚れをしっかり落とす。
    3. アウト側ピストンを、パッドが新品の時を推定して作業開始時より深めまで押し戻す。正常なら、クランプなど使わなくても指でじっくり押せば引っ込む。押し込み過ぎるとリザーバータンクからフルードの溢れるおそれがあるので注意。押し込んだら、ピストンの影になっていたキャリパー部分をきれいにする。
  9. 同様に、今度はアウト側ピストンを工作クランプで押さえ、イン側ピストンのクリーニングをする。
  10. パッドからシムプレートを分離し、どちらもペースト石鹸でブラシ洗浄。パッドはブレーキクリーナーで脱脂して仕上げ、制動面の前後辺のみ軽く面取り。
  11. シムプレートのパッドとの相面にBPRを塗り、パッドにはめてよく押し付け、はみ出たグリスは拭き取る。ピストンとの接触面には何も塗らない。
  12. パッドをキャリパーに取り付ける。清掃して真鍮ブラシで傷を均したパッドピンを、何も塗らずに、仮締め。
  13. キャリパーにダストカバープレートを取り付ける。
  14. キャリパーをフロントフォークに取り付ける。キャリパーボルトを2割程度の力で仮締めした状態で、ブレーキレバーを手応えが出るまでポンピングして位置を出した後、前輪を正回転して数回ブレーキをかけてから、あるいはキャリパーをディスクロータの回転方向へ押し付けてから、ボルトを本締めする。
  15. もう片方のブレーキキャリパーも同様に清掃する。
  16. フェンダーにホースクランプを取り付け元に戻す。