クラッチレバーというものは、やはり親指以外の指も何本かグリップに残さないと正確なクラッチワークはできない。 転倒時に指を切断するという万に一つの危惧にのみ基づいた教習所ご推奨の4本締めに、なんでライディング時間の99.9999%を台無しにされねばならんのだ。自分の場合、人差指をグリップに残しての外側3本締めが習い性だ。ところが、SV650 ABSのクラッチレバーは、左の写真の通り、エグゾセミサイル並みにグリップのラインを舐めているので人差指の逃げ場がない。そこで、もう少しゆったりしたカーブのものにする必要があった。
右の写真がエフェックス。いちおう人差指の入る隙間ができる。このレバーには6段階のレバー遠近調節ダイヤル(1:最近〜6:最遠)が付いているのだが、6方向に行くほど人差指の隙間は減るので、ダイヤルを1方向にもっていけるよう、レバーホルダーのアジャスターでワイヤーの遊びを少なめに調節した。また、ノーマルの時にはレバーのなるべく外側に指が掛かるようにレバーホルダーをステアリングヘッド寄りに寄せてレバレッジ効果を稼いでいたのを、逆に、スイッチボックスへ近づけた。そんなこんなで人差指の退避スペースはかなり確保できた。それでもなお、関節までかかると挟まって痛いので、手首の仰角を変えずに指の動きだけでクラッチを握る動作に慣れる必要がある。ともかく、クラッチコントロールは格段に向上し、クラッチミートの境界がきちんと感じ取れるようになった。こうでなくてはいけない。 下の写真は、純正のクラッチレーバ(奥)とエフェックスを並べたところ。ひとつ気付いた注意点がある。自分はクラッチレバーホルダーをやや下向き加減に取り付けているのだが、ダイヤルを5や6にしてみると、レバーの先がグリップに付くより前に、調整ダイヤル軸のところの張り出しがスイッチボックスと干渉した。工場組付時の通りスイッチボックス合面とレバーが平行な状態であれば、問題はないのだろう。手の大きい人は気に留めておいたほうがいいかもしれない。 ちなみに、セットのブレーキレバーは、試しただけでお蔵入りとなった。ブレーキ操作を中指と人差指の2本か中指だけで行なう自分には、合わなかった。エフェックスのレバー形状だと、人差指の乗る辺りが純正より遠くに逃げてしまうのだ。とはいえ、この製品、レバー部分は左右共通のようなので、クラッチレバー破損時の予備としてとっておこう(厳密に言えばロゴは逆さになるが)。 |