Chapter 2. TCP/IPのおさらい

Table of Contents
2.1. TCP/IPのレイヤー
2.2. IPの特徴
2.3. IPヘッダ
2.4. TCPの特徴
2.5. TCPヘッダ
2.6. UDPの特徴
2.7. UDPヘッダ
2.8. ICMPの特徴
2.9. ICMPヘッダ
2.9.1. ICMPエコー要求/応答
2.9.2. ICMP到達不能メッセージ (Destination Unreachable)
2.9.3. ソースクエンチ (Source Quench)
2.9.4. リダイレクト (Redirect)
2.9.5. TTL equals 0
2.9.6. パラメータ障害
2.9.7. タイムスタンプ要求/応答
2.9.8. インフォメーション要求/応答
2.10. SCTPの特徴
2.10.1. イニシャライズとアソシエーション
2.10.2. データの送信とコントロールセッション
2.10.3. シャットダウンと中止
2.11. SCTPヘッダ
2.11.1. SCTP共通ヘッダフォーマット
2.11.2. SCTPの一般ヘッダと共通ヘッダ
2.11.3. SCTP ABORTチャンク
2.11.4. SCTP COOKIE ACKチャンク
2.11.5. SCTP COOKIE ECHOチャンク
2.11.6. SCTP DATAチャンク
2.11.7. SCTP ERRORチャンク
2.11.8. SCTP HEARTBEATチャンク
2.11.9. SCTP HEARTBEAT ACKチャンク
2.11.10. SCTP INITチャンク
2.11.11. SCTP INIT ACKチャンク
2.11.12. SCTP SACKチャンク
2.11.13. SCTP SHUTDOWNチャンク
2.11.14. SCTP SHUTDOWN ACKチャンク
2.11.15. SCTP SHUTDOWN COMPLETEチャンク
2.12. TCP/IP宛先誘導型ルーティング
2.13. まとめ

iptables は知識のあるなしで大違いのツールだ。別の言い方をすれば、 iptables をフル活用するにはそれなりの知識が必要だということだ。中でも TCP/IP プロトコルには充分に精通している必要がある。

このチャプターは、とにかく TCP/IP についての「必須知識」を解説するために設けた。先へ進んで iptables と取っ組み合うのはそれからだ。ここでは特に、 IP, TCP, UDP, ICMP プロトコルとそのヘッダについてと、それぞれの用途の違い、それに、各プロトコル同士の関係について、駆け足で見ていく。 iptables はインターネット層とトランスポート層で働く。それ故に、このチャプターではそれらのレイヤー [訳者註: 層] にも焦点を当てる。

iptables はより表層のレイヤーで機能することも可能で、例えばアプリケーション層で作用することもできる。だが、 iptables は本来、そうした用途は意図しておらず、そんな使い方をすべきではない。それについては IPフィルタリングとは のチャプターでもう少し詳しく述べることにしよう。